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エキナセアの効能はがんにも有効なのか?

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出典:https://ja.wikipedia.org

あなたはエキナセアをご存知でしょうか?エキナセアは北米原産のキク科の多年草なのですが、このエキナセアには免疫力を高めることに繋がる有効な成分が含まれているといわれ、サプリメントとして10年ほど前から盛んに販売されています。

がん治療において、もし何等かの理由で免疫力が本来の力を出せていないのだとすれば、免疫力を高めることががんには有効だということは周知の事実であります。

今日はエキナセアが免疫力や健康に寄与する可能性があるのか、成分や研究から見ていきたいと思います。

 

 エキナセアとは?その効能はがんにも有効なのか

エキナセアの由来

エキナセアはギリシャ語が語源です。ギリシャ語でハリネズミの意味を表すエキノスという言葉が語源といわれています。

エキナセアは主に根や茎が使用されます。主な原産国はアメリカです。エキナセアは中国では「紫錐花」「金光菊」ともいわれ、何種類もあるといわれています。

エキナセアは古くは数百年から2000年もの歴史があるといわれています。特に北米のネイティブアメリカンの間では昔から伝統的に利用されてきた万能薬です。

エキナセアは昔から菌やウイルスなどの感染症や風邪の治療に使われてきました。現在は主としてサプリメントとしてヨーロッパやアメリカを中心に利用されています。

特にドイツでは100前から脈々と愛用者が存在していて、食用としてエキナセアハーブとしてドイツ政府の認可がおりているほど知名度があります。

原産国アメリカでも当然、エキナセアはとてもポピュラーで、サプリメントなどで風邪対策などにも利用されています。

エキナセアのどんな成分が免疫力に有効だと考えられるのでしょうか。

エキナセアの成分

  • エキナセイン
  • アルキルアミド
  • イヌリン
  • フラボノイド
  • セスキテルペンエステル
  • ビタミン
  • ヘテロキシラン
  • アラビノガラクタン
  • フコガラクトキシログルカン
  • エキナコシド
  • チコリ酸
  • クロロゲン酸
  • シナリン

この中で免疫力に関係しそうな成分としては、イヌリン、ヘテロキシラン、アラビノガラクタン、フコガラクトキシログルカンが考えられます。

イヌリンは、腸に効果的な力を発揮するファイトケミカルです。イヌリンは主に菊芋などの主成分として有名です。整腸作用をイヌリンは持っていて、糖質や悪玉コレステロールの低下などにも寄与するといわれています。

ヘテロキシランやアラビノガラクタン、そしてフコガラクトキシログルカンなどは高い抗炎症作用が期待できます。

こういった成分が作用して免疫力の賦活に役立つ可能性があるといわれているのがエキナセアです。

風邪予防や軽減に効果があったという研究

アメリカのコネチカット大学のクレイグ・コールマン博士はエキナセアの研究から14件ほどの分析して、エキナセアが風邪をひくリスクを58%ほど低下するという発表をしています。

コールマン博士の研究が事実であれば、エキナセアには免疫力を賦活させる何等かの作用があることになります。

参考:THE LANCET(海外サイト)

風邪予防には全く効果がないという意見も多数あり!

とはいえ、別の研究では風邪に対して効果はないという批判的な意見もあり論争となっていることも事実としてあるので、これをすべて鵜呑みにするのは気をつけておきたいところです。

※風邪をひいてからの上気道感染の治療には有効性が示唆されています。あくまで予防には効果がないという話です。

実際のところエキナセアはがんに効くのか

もちろんエキナセアが、がん細胞に直接働きかけることは研究の上で皆無とはっきりしています。ただ、上気道感染に有効となるということが仮に事実であるとすれば、抗炎症作用、そして免疫力賦活に関係しているという可能性が高まります。

そうなるとがぜん、がん細胞にエキナセアはどのように間接的に寄与するのか期待していしまいます。現時点ではっきりしていることは、白血病マウスを使った研究ではエキナセアの成分の幾つかはナチュラルキラー細胞を活性化し白血病マウスの寿命を著しく伸ばすという研究報告が出ています。

参考:エキナセア 老化と癌に対する軌跡のハーブ NCBI(海外サイト)

 

そしてエキナセアに含まれる多糖が免疫細胞を活性化させることも研究報告されています。

参考:エキナシア抽出物のマクロファージ抗ウイルス活性への影響 NCBI

マクロファージに抗ウイルス活性として影響するとなると、これはがん患者にとっては見過ごせない情報でもあります。

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 エキナセアに関する他の研究機関の発表

アメリカ国立衛生研究所

エキナセアが膣感染症への効果を発表。エキナセアを服用、クリームを患部に使用することで、膣感染症を16%も低下したそうです。

これにより以下の感染症も予防・治療効果に寄与する可能性あり。

  • インフルエンザ
  • 歯周病
  • マラリア
  • 性感染症(ヘルペス・梅毒)
  • 内耳感染症
  • 腸チフス

アメリカ食品医薬品局

エキナセアが呼吸器の病気や症状の緩和に期待でき、上気道感染症などに効果が期待できると発表。

これにより以下の感染症も予防・治療効果に寄与する可能性あり。

  • 肺炎
  • インフルエンザ
  • 風邪
  • 百日咳
  • 急性副鼻腔炎
  • 結核
  • ジフテリア
  • 喘息

2016年にイランの医科大学もエキナセアは呼吸器系の感染症などに対する症状緩和が研究証拠して一定の成果が得られたと発表しているそうです。

※副作用として呼吸器系のトラブルを起こす例も報告されています。アレルギー体質の人や全身性疾患の患者の方は避けておいたほうが無難です。

 台湾台中市華僑大学

 エキナセアが高血糖や高血圧を予防するという発表をしています。エキナセアの成分が糖尿病の原因物質発生を抑える働きがあるということです。

どうやらこれはカフェイン酸誘導体の作用が大きく関係しているようです。コーヒーを飲むとカフェインの効果で糖尿病を発症しにくくなることがフィンランドの研究でも発表されています。

がんは糖質(ブドウ糖)をエネルギー源にします。血糖値が高いとがん患者にとっては明らかに不利になるのです。エキナセアが高血糖を抑制する効果があるとなると、がん患者にとってはこれだけでも良いことです。

ただ日本では糖尿病にエキナセアが効果があるという話は見当たりません。

 エキナセアには副作用もあるので注意!

ここまで人体に何等かの作用があることがエキナセアに確認されています。ということはやはり副作用も存在しています。注意喚起が促されている症状は以下のものです。

一般的には経口摂取では副作用は少ないといわれています。しかし一部の人では重篤な症状や胃腸への副作用が多いとのことです。特にキク科アレルギーの人に副作用が出やすい可能性があります。

  • 頭痛
  • 発熱
  • 味覚障害
  • 下痢
  • 腹痛
  • 舌のしびれ
  • 筋肉痛
  • 喉の痛み

※結核、膠原病、エイズ、多発性硬化症などの自己免疫疾患の方には禁忌とされていますので注意が必要です。

全身性疾患、自己免疫疾患の方は絶対に使用しないでください。

まとめ

  • エキナセアには免疫力を高める作用が期待できる。
  • エキナセアには副作用がありアレルギー体質の方には不向き。
  • エキナセアは自己免疫疾患の方には禁忌。

ここまで見てきて、総合的に判断するとエキナセアにはメリットとデメリットの両方が存在することがわかります。

健康食品としてエキナセアを使う場合にはある程度、製品自体の品質や出どころを調べる必要があるのではないでしょうか。

またカフェインの影響を受けやすい方もエキナセアは避けておいたほうが良いと思います。カフェイン酸誘導体により人によっては動悸や頭痛などの副作用がおこる可能性も少なからずあります。

ただ世界中で子供から高齢者まで相当数が使用されているので大半は問題がないのがエキナセアです。

海外のエキナセア製品を使う場合は、体格差を考えて使用量を少なめにするようにしてください。がん患者の方でエキナセアを使用する場合は、アレルギー体質でないこと、他の基礎疾患がないこと、自己責任のもとで慎重に使用するようにしてください。

ただ、何かを摂り入れる前に、普段の生活で無駄がないのか、改善する要素がないのか、まずはそこから始めましょう。不規則な生活、喫煙、飲酒、運動不足、睡眠不足、そしてストレス(精神の安定)。

サプリメントの前にその対策をすることが何より先決です。

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