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コーヒーの発がん性が話題に!ポテトチップスの方が危険か!?

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2018年3月29日にアメリカのカリフォルニア州の上位裁判所がコーヒーの商品に発がんのリスク警告を表示させるべきという判断を出したことが報道されました。

コーヒーの発がん性というのはどのような根拠や理由があるのでしょうか。今日はコーヒーの発がん性や他の食品の発がん性、私なりの考えなどもお伝えしたいと思います。

 

コーヒーの発がん性の警告表示?その根拠とは?

今回アメリカでコーヒーの警告表示に関して訴訟がありその判決で裁判所がコーヒーの発がん性について警告表示が必要と判断したそうです。

このコーヒーの発がん性のラベル表記の裁判を起こした原告は、カリフォルニア州に拠点を置く教育研究団体のCouncil for Education and Research on Toxins(CERT)という非営利団体だそうです。

被告となった企業は、スターバックスやダンキンドーナツなど有名企業も含む90社ほどだそうです。

4月10日までに異議申し立てがないと、発がん性のリスクに関する警告表示が義務化される見通しとなりそうです。

しかしコーヒーに発がん性というのはどのような科学的根拠があるのでしょうか。

コーヒーの発がん性の根拠はアクリルアミド?

調べてみると、団体が訴えている発がん性の根拠は焙煎したコーヒー豆に含まれているアクリルアミドという発ガン性物質でした。

アクリルアミドはアスパラギンとのメイラード反応によって生成されるそうです。メイラード反応というのは端的にいえば、還元糖、アミノ酸、タンパク質などを「加熱」したときに起こる反応です。

アクリルアミドはそれその物はダイレクトに身体に影響があるものではなく、通常は肝臓で解毒され排出されるそうです。

ただ一部が体内に入ってから代謝酵素CYP2E1によって、DNAにダメージを与える可能性のあるグリシダミドに代謝変換されます。

国際がん研究機関(IARC)ではアクリルアミドの発がん性の分類に関しては5段階中、上から2番目のリスクの2Aと分類されています。

このアクリルアミドのが発がん性に結びつくことから、これまで問題視されてきました。しかしアクリルアミドなんて、野菜やグルテンでも高温で加熱すれば何でも発生すると思うのですが、なぜコーヒーなのかは疑問です。

ということで、食品に含まれるアクリルアミドの含有量のデータを調べてみました。

意外だった発ガン性物質アクリルアミドの食品含有量!

 厚生労働省のページには加工食品中のアクリルアミドについてのデータがすぐにみつかりました。

それをチェックしてみるとコーヒーのアクリルアミドの含有量に関しては思ったよりも少なそうです。

目立ったものや比較に良さそうな食品に関して以下に抜粋してみました。

<アクリルアミド量 固形>検出値(ng/g)

  • コーヒー豆   231
  • ほうじ茶葉   567
  • 麦茶      270
  • ココア     141
  • ポテトチップス 3544
  • フレンチフライ 784
  • かりんとう   1895

参照先:厚生労働省 食品中のアクリルアミド分析結果

あくまで1検体ずつのデータが多いため、製品によってはばらつきがあり正確性には疑問がありますが、概ね上記のような数値的傾向がありそうです。

何を持ってして多いのかもわかりませんが、今回アメリカで話題となったコーヒーなどの数値は大したことはないのがわかります。

コーヒー豆ではなく缶コーヒーともなると、アクリルアミドの量は20を下回る傾向にあるようです。

日本人のコーヒーの摂取量からすると、アメリカ人よりも遥かに少ないでしょうから、殆ど心配ないのではないでしょうか。

淹れたてのコーヒーに限っては肝臓などに良い健康効果を示唆する研究データも一部であるくらいですし、飲み過ぎなければ問題はないと思います。

淹れて時間の経ったコーヒーは酸化の恐れがあるので気をつけましょう。

 

ポテトチップスなどは発ガン性物質が多い?

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しかし意外だったのは、ほうじ茶やポテトチップスです。ほうじ茶はそんなに大量に飲む人はいないので心配はないでしょう。

アクリルアミドはイモ類に多く含まれるそうで、高温で揚げるイモ類は調理温度または摂取量を調整する必要があるかもしれません。

ポテトチップスは頻繁に食べる人は注意が必要です。若いうちは問題はほぼないような気もしますが、食べ過ぎは何事も禁物です。

野菜でも焼きすぎたり、高温で調理すればアクリルアミドは増えます。そうなると煮物や蒸し野菜が一番おすすめとなるかもしれませんね。

毎日焼き野菜や揚げ野菜を食べる人も少ないでしょうから、バランスの良い食事をしていればそれほど影響はないと個人的には思います。

発がん性物質アクリルアミドの特徴

厚生労働化学研究成果データベースの研究報告書を参照したところ、アクリルアミドの最重要因子は加熱温度と加熱時間です。

170℃~185℃で10分から20分程度の加熱でアクリルアミドが生成されるとあります。アスパラギンを加えたデンプンを140℃以上で加熱するとアクリルアミドが発生ともあります。

もやし、じゃがいも、アスパラガス、かぼちゃなどは220℃で加熱でアクリルアミドが生成とも。

ここまでを見ると、揚げ物などで短時間であればそれほど問題ないようにも思いますが、ポテトチップスやフレンチフライなどのデータを考えると、短時間でも高温であればリスクはありそうです。

以前、このブログでも採り上げましたが、アスパラギンという成分を調整することで癌の転移が抑えられる研究というものがありました。

アスパラギンが今後のがん治療の鍵を握っているのかもしれません。

参照:厚生労働化学研究成果データベース

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まとめ

  • コーヒーの発がん性訴訟はアクリルアミドに起因。
  • コーヒーのアクリルアミドは他の食品と比較しても多くはなさそう。
  • バランスの良い食生活を心がけていればそれほどリスクはなさそう。

 私もコーヒーは好きですし、ポテトチップスも時折食べます。このブログでも何度もお伝えしていますが、すべてはバランスです。偏った食べ方をしなければ基本的に心配ありません。

日本人は和食を主体にしていれば、それほど食生活では問題がないと私は確信しています。あとは運動、筋力、体温、睡眠、腸内環境、そしてストレスコントロールなどで総合的にフォローをすることで相当健康をクリエイトできるはずです。

一つの成分、一つの情報に傾倒しすぎないように心かげていきましょう!