がんというのは誰にとっても辛い知らせです。多くのがん患者の方ががんと診断された時にひどい落ち込みを経験します。
ある情報によるとがん患者の半数以上の人が重い憂鬱感やうつ状態になってしまうといった話もあります。それは無理もありません。
ただそのままの状態でいることは決して良い方向へ向かわないのもまた事実です。気持ちの落ち込みは免疫力を大幅に下げてしまいます。
がんになったら最初にすることは何なのか。それは情報収集であると私は考えます。今日は情報収集の重要性とそこから見えてくる突破口について考えたいと思います。
がんになったら情報収集だ大事 知識がないと何も出来ない
がんになったら誰しもが動揺します。それは無理からぬ事です。精神的に参ってしまい、その後の生き方や治療にすら向き合えなくなってしまっている人も少なくないです。
がんになって前向きになるために、実は情報収集がとても重要なのです。がんという病気は、誰にとっても謎の病気、未知の病気なのです。そのためには自分が罹ったがんについて出来る限り正確な情報を知ることが頭の中を整理する上でも非常に重要と考えます。
参考:国立がん研究センター
情報不足は不安を増幅させる
多くの人が、「この先どうなってしまうのだろうか」と先行きに大きな不安を抱えてしまいます。わからないことというのは、ストレスになりがちです。例えば勤め先を変わって初めての仕事などをする時には、わからないことだらけで不安になります。
しかし仕事に慣れていき、同僚が出来て、環境をよく理解するようになると不安が消えていきます。それと一緒でがんに関しても、わからないことだらけだとより不安が増えるのです。
そして「なぜ私ががんになってしまったのか」「あの時どうしていたら病気にならなかったのか」と過去ばかりに意識をフォーカスしてしまう人もいます。
これは気持ちはわかりますが、心理的には良くない思考パターンです。人間は過去に注目ばかりしている限り一歩も前に進むことはできない生き物です。
過去から学べることは、がんに関していえば、生活習慣やこれまでの生き方、考え方がどうだったのかを確認することくらいでしょう。あくまで確認です。
それ以外に過去からは良い影響はほぼありません。閉塞感を打破し、前を向くためにも病気の性質や、自分が本当はどのような状態なのかを正確に把握することが必須です。
過去よりも今です。非常に勇気が必要なことかもしれませんが、そこから目をそらしている限りは憂鬱な気持ちからは抜け出せません。がんについてはまずは正確な情報収集が先決なのです。
医者任せにしない方が良い
初めから治療に関して無関心な人がいます。「私は病気についてはわからないから、医者にすべて任せるしかない」と考える人もいるでしょう。医者任せにするというのは思考停止と私は考えます。
もちろん、医者と同じことを学べという話ではありません。それに人生に達観していて、すべてを受け入れて自分の生を全うする、そういった悟りのような境地にある方ならそれも良いでしょう。
くよくよするよりも、いっそ開き直ったほうが免疫には遥かに良いです。しかしそうでないのなら、しっかり病気と向き合って自分の状態や最新の医療、治療法についてある程度は学ぶことが必要です。
なぜなら医者も判断間違いを犯すことがあったり、患者に最適ではない治療法を選択することもないとは限りません。日本の医療は治療の質の平均こそ高いように見えますが、実際は患者にフィットしない治療でも、医者の好みや成功体験だけの理由で行われている場合があります。
抗がん剤などはその最たる例です。しっかり抗がん剤の効果を最大限高めることを考えている医師なら、患者さんにとって最大限に抗がん剤の効果を発揮させるために、抗がん剤を投与する時間やタイミングをより綿密に決定します。
あなたは「時間治療」というものをご存知ですか?別名でクロノテラピーともいいます。人間には生体リズムがあり、免疫力が活性化するタイミング、がん細胞が停滞化する時間帯、逆に活性化する時間帯があります。
抗がん剤にも個人差はあれど、効果が最大限発揮される時間帯があったりするのです。特に真夜中に抗がん剤を使用すると効果が2倍に上がったという人もいるのです。
そういった時間治療すら知らない医者が、全てではありませんが実際にいるのが日本の医療の現状でもあるのです。ですから、あらゆる可能性、あらゆる治療法、そして自分には何が最も良いのかを探るためにも知識が必要なのです。
自分の体力や精神状態はどんな状態なのか。見落としている治療法はないのか。がん患者の健康管理とはどのようにすべきなのか。食生活は?運動は?考え方は?
別に医者に対して難癖をつけているつもりはありません。ただ私が言いたいのは、知識がないとすべて周りに流されていってしまうのです。自分の知識を高めることは生きるためのスキルアップと同じことです。
それは医療の知識ではなくとも、心の在り方、自分の心のコントロールについても同じです。病気を克服したいのであれば、自分を知ること、そのためにも知識は必要だと私は考えます。
具体的に何を調べるのか?
では具体的に何を調べていくことが良いのでしょうか。当たり前の話ですが、まずは主治医としっかり話し合うことから始めなくてはなりません。担当医が現状を知る最大の情報源でもあります。
当然担当医から、あなたへ丁寧な説明がなされます。自分の気持ちがある程度落ち着いていると感じるのであれば、しっかり担当医にとことんまで話をすることが肝要です。
ただ気持ち的に不安が強い状態であれば、冷静に話を聞けていない可能性があるので、自分の身近な人に一緒になって話を聞いてもらうことが良いでしょう。
がん自体について調べる
自分が罹っているがんに関して、ネットや書籍などでも情報は沢山あります。現在は昔と違って様々な治療法が出てきています。少なくともどんな治療法が世の中にあって、それがどのような実績があるのかを知ることもできます。
そして、がん患者の中で、がんを克服した人達の書籍や情報にも触れて考え方や食事の実践法なども知ることができます。
すべての情報が有効という訳ではなく、デタラメな商法にも引っかからないように気をつけなければいけません。
そのためにもがんの性質、治療の知識が必要なのです。それを知らないとデタラメな話にすら簡単に引っかかってしまいます。確かな方向性と確かな希望を見つけるためには知識が先です。
正確な知識を持っていないと変な情報に希望を持ってしまい、お金や時間を無駄に費やしてしまいます。
セカンドオピニオンの活用
セカンドオピニオンは極力したほうが良いです。前述の通り、医師がどこまで患者にとってベターな選択をしているかはわからないからです。
セカンドオピニオンをすることで医師の平均的なそのがんに対する見解を確認できます。できればセカンドオピニオンだけではなく、3つ目の病院にも見解を聞くサードオピニオンまではしたほうが確実でしょう。
私の知人の場合、セカンドオピニオン、サードオピニオンをしたことで、がんと診断されていた人が、実はそうではなかったという事例がありました。
こういったことは稀だとは思うのですが、そういったこともあり得るのでセカンドオピニオンは重要です。
他の医師によっては、もっと負担のかからない治療法の提案を受けられることもあります。もちろん、逆も然りなので、だからこそある程度の知識が必要です。
自分の体の状態も遺伝子レベルで調べられる時代に
一般の病院ではまだ導入されていませんが、今は実費となりますが遺伝子の検査でかなりの部分まで調べることができる時代になっています。ミルテル検査などがその代表例です。
自分の栄養状態も正確に調べることが血液検査で可能になってきています。変なサプリメントに手を出す前に自分の肉体に足りていないもの、余計なものを把握することも必要です。
心が安定しない場合は積極的にカウンセリングの活用を!
がん患者の多くは憂鬱感やうつ病になる人もいます。知識と並び心のケアが患者にとっては最重要テーマともいえます。気持ちが落ち込んでいては免疫力が下がりがん細胞は活性化してしまいます。
気持ちの面でどうしても不安が拭いきれない場合はカウンセリングなどを積極的に活用することが肝要です。自分の考え方に見落としがあったり、マイナス思考に陥ってしまい、判断を誤り続けているために良い方向性を見いだせないことがあります。
カウンセラーに自分の現状を相談し、より良い決定を自分の中から導き出していくのはとても良いことです。
まとめ
- がんを治すためには自分で正確な知識を出来る限り得ることが必要。
- 情報不足は不安を増幅させる。
- より正確な情報を得ることで、自分の道を判断する力が増す。
- より多くの知識の中に希望が隠れていることがある。
- がん経験者の書籍やネットでの情報も精査しながら吸収する。
- 医師としっかり話し合いとことんまで情報を得る。
- セカンドオピニオンの積極的活用。
- 心の重荷はカウンセリングなどを活用し軽くする。
情報収集は非常に大切です。健康管理の面からしても、心の安定のためにも重要です。
時に知識は自分を守る盾になってくれます。自分の中に迷いや不安で覆い尽くされていると免疫力が下がり、折角の治療の効果が下がります。
自分の迷いを出来る限り整理し払拭していくためにも知識は必要です。がんはそんなに甘くないといわるかもしれませんが、自分の中の迷いが減り、気持ちが固まり、希望を自分の中から見出したとき、免疫力が高まり、治療効果も高まり、がん細胞は減少していくと私は考えています。
参考となる書籍
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