がんの中でも日本人が多く罹るがんの一つに大腸がんがあります。大腸がんが転移した場合にどの臓器に転移しやすいのでしょうか。そして大腸がんはどのような原因で罹りやすくなるのかも少し考えてみたいと思います。
大腸がんが転移しやすい3つの臓器とは
大腸がんは文字通り大腸にできるがんです。大腸がんに罹ると通常は手術という形がとられるのが一般的です。主に腸にできた腫瘍やがんの病巣を切除する手術が基本となります。
仮に手術で大腸がんを取りきった場合でも、時間の経過とともに他の臓器に転移することがあるので、決して油断はできないのが大腸がんでもあります。
では大腸がんには転移しやすい臓器があるのでしょうか。
結腸がんの再発部位とその再発率
参考:出典:大腸癌研究会プロジェクト研究1991~1996年症例
結腸がんの再発率を図で見てみましょう。結腸がんの場合、再発として一番多いのが肝臓となります。それについで多いのが肺と大腸のどこかということです。
その他の臓器に転移することも稀にはありますが、多くは肝臓と肺と大腸です。
では次に直腸がんの場合に転移しやすい臓器をチェックしてみましょう。
直腸がんの再発部位とその再発率
直腸がんの場合は、肝臓、肺、大腸の再発率が高いことがわかります。結腸がんに限らず直腸がんでも同じような臓器に転移しやすいことがわかります。
大腸がんの経験がお有りの方ならよくご存知かと思いますが、大腸がんは転移をするなら5年以内に転移をする場合が95%程といわれています。
逆にいえば、5年以内に転移がなければ大半の方は転移がないとも考えられるのです。ですので、大腸がん患者の方は罹患して手術後は、5年間の間は定期検診を欠かしません。
転移するかしないかは、明確なメカニズムは解明されてはいませんが、おそらくがん細胞の性質と患者さんの免疫力などが関わっていることが示唆されています。
再発率はがんの進行度が高ければ高いほど可能性が高くなり、早期の大腸がんであれば殆ど転移はありません。
大腸がんの転移しやすい臓器ベスト3
このことから見ると、大腸がんの場合、転移しやすい臓器のベスト3以下となります。
- 肝臓
- 肺
- 大腸
特に肝臓や肺は転移がしやすいということがデータからわかりました。特に気をつけなればいけないのは肺への転移です。肺にがんが転移してしまうと、なかなか手術をすることが難しくなります。
とはいえ、意図的に肺への転移を防ぐ方法があるわけではありませんので、術後の生活習慣や健康管理を徹底することが必要となります。
肝臓への転移はまだ肺と比べると幾分か対応はしやすいです。それは肝臓は臓器の半分くらいまではとっても、また再生する力があるからです。ただ肝臓の転移が複数あるとなるとそうもいきませんので、楽観視もできません。
手術自体も非常に体に負担をかけます。極力転移は避けたいところです。そのためにも生活習慣や時には自分自身の考え方や生き方までも変えていかなければいけません。
大腸がんに罹りやすい人の生活習慣
- 食物繊維不足
- 運動不足
- 喫煙
- 飲酒
- ストレス
大腸がんの場合、食の欧米化が大きな要因ではということが示唆されています。また喫煙や最近では飲酒が非常に大腸がんには影響があることが医療機関からも報告が挙がっているほどです。
参考:国立がん研究センター
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大腸がんは早期発見が大切
大腸がんは早期発見が大切です。それは転移をしていないければいないほど予後がよいからです。そして腫瘍が小さければ肉体にかかる負担も一段と軽くなります。
大腸がんの場合は、大半は定期的な大腸カメラをしていればその殆どは軽くすみます。大抵発見されてから転移してしまった人の多くは、定期的な大腸検査をしてこなかった人が大半です。
検査をするかしないかだけでその後の人生が大きく変わってしまいます。大腸カメラの検査は、大腸がんになることを考えれば、検査は半日で済みます。この差は歴然ですので、是非大腸カメラの検診を受けるようにしてください。
まとめ
- 大腸がんが転移しやすい臓器は肝臓、肺、大腸。
- 大腸がんが再発する場合は5年以内が95%。
- 大腸がんは早期発見すれば怖くない。
大腸がんで転移しやすいのは肝臓、肺、その次に大腸という順番が多いようです。大腸がんはがんの中でも早期に発見すればそれほど怖くないがんです。早期発見が治療もその後も大きく左右します。
定期的な検査が最も万全な予防策といえると思います。