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がん患者が食欲不振の場合の食事のコツ!

がん患者の方のなかには、抗がん剤や放射線治療の副作用の影響で食欲不審になることがよくあります。

その場合の食事はどうのようにすればよいのでしょうか。患者を見守る家族として心配ですよね。

今日はがん患者さんが食欲不振の場合のコツなどを完結にまとめてみたいと思います。

 

がん患者さんが食欲不振の時の食事

がん患者さんは食欲不振になる場合があります。それは抗がん剤や放射線治療の副作用だったり、精神的な問題だったりと人によりいろいろあります。

がん患者の家族としては、元気がない姿を見るのはとても辛いものです。

なんとか食べてくれないかなと思い、あれはどうか、これはどうといろいろと買ってきたり、本人に勧めてみたりします。

ただ本人は吐き気があったり、だるさがあったり、時には精神的な不安や失望感などが原因で食欲不振になることがあります。

そんな時にどうっいった形で食事を勧めていけばいいのでしょうか。ここで病院などで勧められている食事のコツや私個人の意見などをまとめてみましたのでチェックしてみましょう。

国立がんセンターでは以下のような食事を奨めています。国立がん研究センター

  1. バランスの良い食事
  2. ゆっくり時間をかけて食べる
  3. 間食も上手にとる
  4. 消化の良いものを食べる
  5. エネルギー、タンパク質をとる
  6. 料理のレパートリーを増やす
  7. ストック料理
  8. お酒は控える
  9. 家族の協力

こうやってみるとありきたりの内容ですが、たしかにこれで良いともいえます。

ただ個人的にはお米やパンを推奨しているところは多いに疑問ですが、普通にウォーキングをしたり、掃除や外へ出かけられるような活動量の人であれば、それも全く問題はなさそうな内容となっています。

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米国の農務省やハーバード公衆衛生大学院のHealthy Eathing Plateでは白米ではなく、精製されていない全粒粉穀物が推奨されています。米文化ではないというのも理由にはありますが、日本では全く触れられず、医者でもこれらの情報すら知らない人もいると思います。

また個人的な意見ではありますが、以下の点も参考にしていただけたらと思います。

あくまで次の情報はポイントであって、食事方法の全てではありません。基本はバランスの良い食事です。あくまで個人的見解ですので、参考程度でお願いいたします。

ポイント1:本人が食べたいものを食べる

本人に食べる意思があり、食べたいものがあるのなら、それを食べさせるのも一つです。

ただ甘い物となると、癌にも影響しかねないので私個人としてはお勧めしません。ただ本人が食べたいものがあるのであれば、分かったうえでのことならOKではないでしょうか。気力や生活の質を落とさないためです。

ポイント2:消化の良いものを食べる

当たり前ですが、なるべく胃腸に負担がかからない消化の良いものを食べるようにしましょう。

 

ポイント3:魚や鶏肉からタンパク質をとる

がん患者さんは本来であれば、タンパク質、不飽和脂肪酸の脂質、食物繊維、ビタミン類、ミネラルをふんだんに摂り入れることが必要です。

ただどうしても治療の影響が出ると、食べる気力が失せてしまうことがあります。少なくとも、タンパク質は摂ってほしい成分です。

タンパク質は免疫細胞や抗体などに必須のものです。これが不足するとアルブミンの量が減ってしまい、病気が悪化しやすくなってしまう可能性があります。

個人的には短期間であれば、少々味の濃いものでもいいと思います。あるいは酸味のあるものなども食欲が増しやすいのでおすすめです。

ポイント4:味覚障害があるのなら香りの強いものを

抗がん剤や放射線治療によって、味覚に障害で出ることがよくあります。その場合は香りの強いものを食べるようにすると比較的食べられます。

人によってはカレー風味のものや、柑橘系の香りのするものなどは味覚に影響しにくく食べやすいです。

可能であれば、免疫力にも必要となるタンパク質を食べるようにしましょう。大豆製品や鶏肉などが食べられると大変良いです。

ポイント5:サラダ油はやめてオリーブオイル主体に

がん患者の方は、治療や精神的な問題で痩せてしまう人が多いです。ある程度食べられう人は、サラダオイルよりもオリーブオイルに変えるようにおすすめします。

サラダ油は作られる際に、化学反応により作られます。抽出の時に、ヘキサンやペプタンという石油由来の物質をつかいます。

さらに、通常の圧搾抽出とは違い、製造過程でミネラル類が取り除かれます。栄養価的にもあまり良くないのです。人体に有害となり、高血圧、心臓病、アレルギーにまで影響するのではないかといわれうトランス脂肪酸が含まれますのでサラダ油はやめておきましょう。

オリーブオイルもピンからキリまでありますが、しっかりと低温圧搾法(コールドプレス)でしぼったそのままのオリーブオイルがおすすめです。オリーブオイルはサラダ油よりも、コレステロールが高くなりにくく、抗酸化作用もサラダ油よりも良いとされています。

ポイント6:間食ならナッツ類をよく噛んで食べるのがおすすめ

消化があまり良くはないのですが、ナッツ類はかなり健康的な食材です。特にくるみやアーモンド、カシューナッツなどが混ざったミックスナッツなどを毎日適量とりましょう。

FDA(米国食品医薬品局)はナッツ類の健康効果を認めています。それは1日57g以上のナッツ類を食べると、心血管リスクが低下するといわれているからです。

心血管リスクが低下するというのは、血圧にも影響していることを示唆し、インスリン抵抗性が改善します。

これは糖尿病患者の免疫力低下の例から考えると、ナッツ類は間接的にではありますが、インスリン抵抗性が下がるのであれば、免疫力にも関係してくるのではないかと個人的には考えています。

※ただあくまでがん予防の観点では有効の可能性ありということであり、がん細胞に有効というものではありません。

ポイント7:市販の野菜ジュースはリスクかもしれない

食事が摂れない場合、野菜ジュースで栄養をとろうとする人も多いと思います。がん患者の場合、野菜ジュースは糖質がたっぷりなのでリスクがるかもしれません。

何も食べられないのであれば、野菜ジュースを活用することはまだマシでしょうが、栄養的にも野菜ジュースは気休めにしかならない可能性があります。

すくなくとも、市販の野菜ジュースが健康に寄与するといったデータはありません。むしろ血糖をたかめ、野菜ジュースをよく飲む人には糖尿が多いというデータはありますので注意が必要です。

野菜ジュースを飲むであれば、手作りでミキサーよりも、コールドプレス式のジューサーを使えば、素材を比較的壊さないで摂ることができそうです。

ポイント8:せめてお菓子を食べるのなら、カカオ成分80%以上のチョコレートを

甘いものがどうしても食べたい人もいると思います。その場合はケーキやスナック菓子を食べるのは砂糖がたっぷりなのでおすすめしません。個人的には、どうせ食べるのならば、カカオ成分が多いチョコレートをおすすめします。

可能であれば、市販の製品でいうと、明治が販売している『チョコレート効果cacao95%』がおすすめです。ただこのチョコレートを初めて食べた人はあまりの苦さと渋さに驚きます。

私は慣れてしまって全く平気なのですが、美味しくないと感じるのなら食べないほうがマシという話になってしまいます。

そうなるくらいなら少しカカオ成分が低めの86%などが良いかもしれません。

ポリフェノールは抗酸化作用も高く、血圧をさげる働きも確認されています。カカオ成分72%くらいが食べやすいのですが、やはり砂糖が気になります。

ドリンクには豆乳なんかもとても相性がいいのでおすすめです。

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 まとめ

  • がん患者が食欲不振の場合、香りや味の強いものが食べやすい。
  • 食欲不振の場合は、食べたくないものまで食べないくてもいい(短期間)
  • 可能な範囲でバランスの良い食事を。
  • 油はオリーブオイル主体に。
  • ナッツ類がおすすめ。
  • 市販の野菜ジュースはリスクの可能性あり。

概ねざっくりとしてはいますが、食事は自分の体を作る基礎となる大事なものです。

がん患者さんは食事にすら大変なエネルギーを状況によっては費やすことにもなります。なるべく自分にとって栄養価を損ねないながらも、食べやすい方法を見つけ出して欲しいと切に願います。

 

 

糖質制限は危険なのか!?症状や問題の大きな誤解!

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出典:https://www.pakutaso.com

 

このブログでもお伝えしている糖質制限の必要性。がん患者の方は糖質は減らしたほうがいいという意見に対して否定的な人も多いようです。

病院の医師でも糖質制限の必要性を全く知らない人がいることに驚きですが、今日は糖質制限の危険性の有無や糖質制限による症状や問題点なども考察したいと思います。

糖質制限には危険や何か症状や問題があるのか?

 医師でもなんでもない私の意見など取るに足らないものとされてしまうかもしれませんが、個人的な意見はともかく、医学的な点からしてもがん治療において、糖質制限の必要性は明白です。

まずは稚拙ですが、素人でもわかるものからすれば、単純なものとしてPET検査があります。PET検査は「陽電子放射断層撮影」といって特殊な検査薬でがん細胞に印を付けるような検査です。

一部の特殊ながん細胞は除き、がん細胞の多くは正常細胞よりも3~8倍ものブドウ糖、つまりグルコースを吸収する性質があります。まさにがん細胞は糖質が餌のようなものなのです。

PET検査ではFDG(ブドウ糖)を注射し、がん細胞があればその部分が活性化し画像で認識できるようになります。

まさにがんが餌となるブドウ糖を食べて元気になっているところ撮影するようなイメージです。理屈は単純で癌の餌はブドウ糖だけ。だとすれば、ブドウ糖を断てば兵糧攻めでがん細胞が減る。

もちろん、人体は複雑で単純にこれだけで癌が全て消えるとはいいきれません。

※現状では白米が癌のリスクになるといった有意な研究報告はありません。糖質制限すべきというのは、私個人の見解です。ただ糖尿病のリスクのあるものは、癌にもリスクがあり、癌の栄養源がグルコースであるのであれば、やはりそれもリスクというのが私個人のスタンスです。(医師は糖質制限のみで癌患者の経過観察をすることは治療放棄となるため、それはできず、十分な糖質制限の是非を検証する臨床データがない)

いずれ解明されていくと思いますが、私は人の心(精神)も癌には影響していると考えていますから、心と体のバランスと治療を組み合わせて初めて癌は消えやすくなると思っています。

心の話はまた別の機会として、ここまでの話だけでも、がん患者の方が糖質の多い食生活をしていると健康的にはマイナスになる可能性が明白です。問題は糖質を制限してしまうと、健康にはどのような影響があるのかといったことです。

がん細胞はブドウ糖、つまりグルコースがエネルギー源ということですが、人体の他の細胞の場合はどうでしょうか。

人体には脳や赤血球にはブドウ糖が必要です。脳はブドウ糖こそが唯一の栄養源です。糖質制限反対論者はこの点を指摘して、糖質制限をすると危険と必ず指摘する人がいます。

そこで糖質制限には実際にどんなリスクがあるのかということになりますが、少なからず少々糖質を制限した程度では全く問題がありません。私自身、あくまで短期間ではありますが、2ヶ月ほど糖質制限をしてみました。

あくまで主食であるお米、麺類などの炭水化物や砂糖を使った菓子類などを食べないものです。調味料や揚げ物などの衣などは除外したゆるい糖質制限です。

実践した結果としては、体重は2ヶ月で4キロほど減少しましたが、活動に支障をきたすものは殆ど感じませんでした。むしろ心地よい空腹を感じるようになり、体調はよくなった印象を受けます。

糖質制限は短期的には糖質制限が人体に与えるマイナス影響は、ストレスがかかるといった精神的な問題が無い人であれば、ほぼないでしょう。

では長期間では危険や何か肉体的に問題となる症状は出るのでしょうか。

糖質制限で病気になったり短命になる噂の間違い

長期間糖質制限をすると、脳卒中や心筋梗塞、あるいは何らかの病気になるという意見や症状が出たという話があります。調べてみると、それは糖質制限が直接的な原因ではない場合が大半のようです。

糖質制限ダイエットなどをして調子を崩した人に共通している点は、調子を崩した人のエビデンスがないので何とも断言はできませんが、症状としては高脂血症が多いのではと私は考えます。心筋梗塞や脳卒中なら可能性大です。

主食を減らした代わりに肉ばかりを食べ、オリーブオイルやエゴマオイルなどの不飽和脂肪酸などの良質な脂肪分でカロリーを補うのではなく、サラダ油や動物性脂肪を過剰に摂取したことが原因ではないかと。

それにより血中のコレステロールが上昇し、脂質異常症が発生。脂漏性湿疹や蕁麻疹が出る人もいれば、血管に何らかの問題が発生し症状が出た可能性があります。

成長ホルモンを大量に使われた外国産の肉ばかり食べたり、加工肉ばかり食べていれば、何が自分の体質に影響するかわかりません。

これは糖質制限が影響したのではなく、過剰に摂取した動物性脂肪などが影響した可能性が高いというのが正しい答えと私は考えます。

※徹底した糖質制限は返ってマイナスという研究もあります。ハーバード大学の研究では、糖質制限を長期間すると心血管へのトラブルが増えることがわかっています。

ただ詳しい原理については完全に正確な答えが出ているのか私の元には精度の高いメタアナリシスデータがないので判然としません。何事もバランスが大事という考えが正しいとすれば、極端な糖質制限は短期間なら問題ないが、年単位のような長期間の糖質制限に関してはリスクが少なからずあると思っておいてください。

ただ明らかに糖質の取り過ぎは体には良くないので、血糖の上がりにくい、玄米食を取り入れたり、運動をして血糖を調整するのがおすすめです。

糖質は摂りすぎても心血管へのダメージが増えることも事実ですので、なるべく必要最低限で良いと私は考えます。

正しい糖質制限は肉や動物性脂肪の過剰摂取をするということではない

なにも糖質制限をしたからといって、肉を大量に食べろという話ではないので注意が必要です。糖質制限さえすれば、肉でもなんでも食べていいというのは間違いです。

魚(時々肉類)やふんだんな温野菜、豆、を中心にして、オリーブオイルやナッツ類といったオメガ3などのEPA、食物繊維などを摂取していれば、脳梗塞や心筋梗塞のなるなんてことは食事からは考えられません。大抵、糖質制限で病気になった人はこのような食事はしていないのではないでしょうか。

主食が必要であれば、無農薬の玄米(可能であれば有機栽培のも)を食べたり、ストレスになるくらいだったら、たまにはお米を食べてもいいと思います。

 そして普段から高血圧はなかったのか?運動不足や睡眠不足、給水不足、睡眠不足、ストレスはなかったのか、そういった点を考慮せずに糖質制限が危険だという意見はちょっと偏っているでしょう。

毎日同じものを食べるのはリスクがある

毎日玉子を食べたり、肉やソーセージなどを食べたりしている人もいるのでは。毎日同じものばかりを食べるていると、何らかの不調を感じることがあります。

それは遅発型フードアレルギーなのかもしれません。

何だか体の調子が悪いという人は、毎日同じもの食べていないかチェックが必要です。弱いアレルギーかもしれません。

魚の金属は大丈夫なのか?

よく魚に含まれる水銀や重金属は大丈夫なのかといった意見がありますが、それはマグロなどの大型の魚に多く含まれており、サバやそれ以下の魚にはそれほど含まれていません。

まあ何事も偏った食事はいけませんので、魚も毎日食べるというのも問題がでないともいいきれませんので、肉類の中でも比較的発がんリスクが低いとされている鶏肉などを適切に活用することが肝要です。

ビタミンB1などは豚肉や豆類を食べれば十分補えます。ミネラルもただの精製された食塩などではなく、天日塩などのミネラル豊富な塩を選ぶようにしましょう。

あなたが妊婦でなければ、それほどそこを気にする必要なないでしょう。

糖質制限のマイナス面

ただ一つ、糖質制限のマイナスの症状としてあるとすれば、それは満足感やストレスが人によっては強いということです。私の場合は、炭水化物でいえばお米や麺類は好きですが、無くてはならないとまでは思っていないため、糖質制限はそれほど苦ではありません。

むしろ体が楽で心地良いくらいなのですが、肉体労働をされている人などは力が出ないといった意見も多いです。体を動かしている人は、運動効果で血糖は下がるので、空腹からの大量の炭水化物の過剰摂取によるジェットコースター血糖にさえ気をつけて適切な量をとれば全く問題がないものと個人的には思います。

がん治療の場合は、体型や栄養状態に気をつけながら、糖質はなるべく減らしたほうがより治療効果が高いとは思いますので、その辺りは個人の判断となります。

大半の医師に聞いたところで食に関しては門外漢な人が多いので、糖質制限に関しては「うん」とはいいませんのでご注意を。

 

炭水化物(糖質)のとり過ぎに注意

炭水化物のとり過ぎの方がかなり危険かもしれません。

権威ある医学雑誌のランセットには炭水化物の取り過ぎは死亡リスクが高くなるという研究が報告されています。

血糖値が高くなるとういのはインシュリンの分泌が過剰になり、糖尿のリスクになります。糖尿病は免疫力が下がり二次的な疾患を発生させてしまいます。

何でも食べ過ぎは危険ですね。

参考:LANCET

肥満はがんになりやすい

肥満はがんになるリスクがあります。肥満は以下のがんのリスクが上がることが医学的に示唆されています。

  • 食道がん
  • 膵臓癌
  • 肝臓癌
  • 大腸癌
  • 乳がん
  • 子宮体がん
  • 腎臓がん

参考:国立がんセンターがんの発生要因

 

 医学的に注目されている糖質制限=ケトン食 とは

脳の栄養や微量の糖質さえあれば人体には糖質制限はそれほど問題ないということはほぼ証明されています。医学博士の古川健司医師の書籍『ケトン食ががんを消す』によると、ブドウ糖の供給が実際に途絶えても、緊急用のエネルギーが皮下脂肪から作られるそうです。

これがケトン体です。古川先生は実際に患者さんに糖質を制限してもらい、タンパク質とEPAを主体とする食事療法をがん治療に併用しています。これによりがん細胞の消失や縮小が大きく見られた患者さんが出始めているそうです。

あくまで治療をしながらの食事療法ということや、臨床例が少ないのが惜しいのですが。

ケトン体は実は、糖質の変わりに脳の栄養に代替できる唯一の成分です。他の成分が到達できない血液脳関門(脳毛細血管内皮細胞)、要はフィルターを突破することができ、脳の栄養源になります。

がん細胞はブドウ糖さえ断てばアポトーシス、つまり餓死します。しかし脳はケトン体さえあれば、ブドウ糖の変わりにケトン体を栄養にして生きることができる。こういう理屈です。がん細胞にはケトン体を栄養源に変える酵素が欠けているので、ブドウ糖しか餌とならないのです。

最近、巷で流行っている健康本にケトン食という物が多いのはこういった理由からなのです。

近い将来、研究の進歩により、解釈の変化があるかもしれませんが、がん細胞の大半はグルコース(ブドウ糖)を餌とすることが確定している限りは、がん治療における糖質制限が否定される可能性は低そうです。

まとめ

  • 糖質制限には正しい認識が必要。
  • 糖質制限は適切であれば危険ではない。
  • 糖質制限より、他の物の過剰摂取が問題。
  • 糖質制限よりも、過剰摂取の方がよほど危険。

糖質制限は危険だといった認識不足の医者がいる影響で、巷ではかなり誤解されているのではないでしょうか。あくまで制限の仕方が重要です。

糖質は、がんでも糖尿でもない人で、活発な生活を送っている人であれば、血糖に気をつけて過剰摂取しなければ何も問題がないものですので食べて楽しんで大丈夫です。

ただ、がん患者さんの場合は、ある程度の制限をした方が良いことは間違いないと私は思います。

ただ判断は個人に委ねられるものであり、人によっては食の楽しみという観点でQOLを著しく損ねる場合もあるでしょう。選ぶのは患者さん次第ですし、ご自身で文献を調べられるのが良いでしょう。

ただ、癌になった場合はこれまでと同じような食事をしていては治らないことが多いので心の面と肉体的な面を見直す必要はあります 。医者任せだけではがんは容易には治りません。

もちろん、現代医学や医者との信頼関係を否定する意味でもありません。

 

<参考となる書籍>

ケトン食ががんを消す (光文社新書)

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世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事

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コーヒーの発がん性が話題に!ポテトチップスの方が危険か!?

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2018年3月29日にアメリカのカリフォルニア州の上位裁判所がコーヒーの商品に発がんのリスク警告を表示させるべきという判断を出したことが報道されました。

コーヒーの発がん性というのはどのような根拠や理由があるのでしょうか。今日はコーヒーの発がん性や他の食品の発がん性、私なりの考えなどもお伝えしたいと思います。

 

コーヒーの発がん性の警告表示?その根拠とは?

今回アメリカでコーヒーの警告表示に関して訴訟がありその判決で裁判所がコーヒーの発がん性について警告表示が必要と判断したそうです。

このコーヒーの発がん性のラベル表記の裁判を起こした原告は、カリフォルニア州に拠点を置く教育研究団体のCouncil for Education and Research on Toxins(CERT)という非営利団体だそうです。

被告となった企業は、スターバックスやダンキンドーナツなど有名企業も含む90社ほどだそうです。

4月10日までに異議申し立てがないと、発がん性のリスクに関する警告表示が義務化される見通しとなりそうです。

しかしコーヒーに発がん性というのはどのような科学的根拠があるのでしょうか。

コーヒーの発がん性の根拠はアクリルアミド?

調べてみると、団体が訴えている発がん性の根拠は焙煎したコーヒー豆に含まれているアクリルアミドという発ガン性物質でした。

アクリルアミドはアスパラギンとのメイラード反応によって生成されるそうです。メイラード反応というのは端的にいえば、還元糖、アミノ酸、タンパク質などを「加熱」したときに起こる反応です。

アクリルアミドはそれその物はダイレクトに身体に影響があるものではなく、通常は肝臓で解毒され排出されるそうです。

ただ一部が体内に入ってから代謝酵素CYP2E1によって、DNAにダメージを与える可能性のあるグリシダミドに代謝変換されます。

国際がん研究機関(IARC)ではアクリルアミドの発がん性の分類に関しては5段階中、上から2番目のリスクの2Aと分類されています。

このアクリルアミドのが発がん性に結びつくことから、これまで問題視されてきました。しかしアクリルアミドなんて、野菜やグルテンでも高温で加熱すれば何でも発生すると思うのですが、なぜコーヒーなのかは疑問です。

ということで、食品に含まれるアクリルアミドの含有量のデータを調べてみました。

意外だった発ガン性物質アクリルアミドの食品含有量!

 厚生労働省のページには加工食品中のアクリルアミドについてのデータがすぐにみつかりました。

それをチェックしてみるとコーヒーのアクリルアミドの含有量に関しては思ったよりも少なそうです。

目立ったものや比較に良さそうな食品に関して以下に抜粋してみました。

<アクリルアミド量 固形>検出値(ng/g)

  • コーヒー豆   231
  • ほうじ茶葉   567
  • 麦茶      270
  • ココア     141
  • ポテトチップス 3544
  • フレンチフライ 784
  • かりんとう   1895

参照先:厚生労働省 食品中のアクリルアミド分析結果

あくまで1検体ずつのデータが多いため、製品によってはばらつきがあり正確性には疑問がありますが、概ね上記のような数値的傾向がありそうです。

何を持ってして多いのかもわかりませんが、今回アメリカで話題となったコーヒーなどの数値は大したことはないのがわかります。

コーヒー豆ではなく缶コーヒーともなると、アクリルアミドの量は20を下回る傾向にあるようです。

日本人のコーヒーの摂取量からすると、アメリカ人よりも遥かに少ないでしょうから、殆ど心配ないのではないでしょうか。

淹れたてのコーヒーに限っては肝臓などに良い健康効果を示唆する研究データも一部であるくらいですし、飲み過ぎなければ問題はないと思います。

淹れて時間の経ったコーヒーは酸化の恐れがあるので気をつけましょう。

 

ポテトチップスなどは発ガン性物質が多い?

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しかし意外だったのは、ほうじ茶やポテトチップスです。ほうじ茶はそんなに大量に飲む人はいないので心配はないでしょう。

アクリルアミドはイモ類に多く含まれるそうで、高温で揚げるイモ類は調理温度または摂取量を調整する必要があるかもしれません。

ポテトチップスは頻繁に食べる人は注意が必要です。若いうちは問題はほぼないような気もしますが、食べ過ぎは何事も禁物です。

野菜でも焼きすぎたり、高温で調理すればアクリルアミドは増えます。そうなると煮物や蒸し野菜が一番おすすめとなるかもしれませんね。

毎日焼き野菜や揚げ野菜を食べる人も少ないでしょうから、バランスの良い食事をしていればそれほど影響はないと個人的には思います。

発がん性物質アクリルアミドの特徴

厚生労働化学研究成果データベースの研究報告書を参照したところ、アクリルアミドの最重要因子は加熱温度と加熱時間です。

170℃~185℃で10分から20分程度の加熱でアクリルアミドが生成されるとあります。アスパラギンを加えたデンプンを140℃以上で加熱するとアクリルアミドが発生ともあります。

もやし、じゃがいも、アスパラガス、かぼちゃなどは220℃で加熱でアクリルアミドが生成とも。

ここまでを見ると、揚げ物などで短時間であればそれほど問題ないようにも思いますが、ポテトチップスやフレンチフライなどのデータを考えると、短時間でも高温であればリスクはありそうです。

以前、このブログでも採り上げましたが、アスパラギンという成分を調整することで癌の転移が抑えられる研究というものがありました。

アスパラギンが今後のがん治療の鍵を握っているのかもしれません。

参照:厚生労働化学研究成果データベース

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まとめ

  • コーヒーの発がん性訴訟はアクリルアミドに起因。
  • コーヒーのアクリルアミドは他の食品と比較しても多くはなさそう。
  • バランスの良い食生活を心がけていればそれほどリスクはなさそう。

 私もコーヒーは好きですし、ポテトチップスも時折食べます。このブログでも何度もお伝えしていますが、すべてはバランスです。偏った食べ方をしなければ基本的に心配ありません。

日本人は和食を主体にしていれば、それほど食生活では問題がないと私は確信しています。あとは運動、筋力、体温、睡眠、腸内環境、そしてストレスコントロールなどで総合的にフォローをすることで相当健康をクリエイトできるはずです。

一つの成分、一つの情報に傾倒しすぎないように心かげていきましょう!