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大腸ガンの初期症状は細い便なのか?

大腸がんは日本人にも非常に増えているがんです。大腸がんの総患者数は2016年の厚生労働省の患者調査概況によると26万1000人という数字が出ています。

これはがん患者数の7人に1人が大腸がんということになります。大腸がんの多くは早めの対処ができれば殆ど気にすることのない癌です。今日は大腸がんの初期症状について考えてみたいと思います。

 

 大腸がんの初期症状は細い便なのか?

便が細くなる理由は大腸がんだけではありません。むしろそれ以外の理由の方が多いと思われます。たとえば食物繊維不足であったり、便が柔らかかったりすれば、便は細くなる傾向にあります。

ですので、便が細いからといって即大腸がんということにはなりません。では、大腸がんの初期症状には何かサインというか、これは大腸がんかもしれないというものはあるのでしょうか。

大腸がんになると便が細くなってきたりすることはたしかにあります。これに関しては、初期症状かどうかの医療的見解は出ていません。

その点からは、便が細くなるのは大腸がんの初期症状ではないと思います。むしろ大腸がんの影響で便が細くなる場合は、初期症状ではなく、ある程度がんが進行してしまっているサインなのかもしれません。

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便が細くなる理由の1つ:大腸ポリープ

便が細くなる理由の一つに大腸ポリープがあります。大腸ポリープは大腸にできる腫瘍です。ポリープの影響で便が細くなるという説があります。

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出典:http://yamashita-clinic-iwakuni.com

この大腸ポリープが大きくなってくると腸が狭くなります。通常大腸ポリープが1センチ程度の大きさであれば便が大腸を通るのですが、個人差はありますが、2センチを超えてくるとそうはいかなくなってきます。

大きくなってくれば、腸の通り道が狭くなり腸がつまりかけているせいで、下痢を起こすか、便の通りをよくするためにゆるくなるのか、メカニズムははっきりしていませんが、便が細くなる人がいるようです。

大腸ポリープは大きさが重要

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出典:http://www.jfcr.or.jp/hospital/cancer/type/colon/001.html

2センチを超えてくる大腸ポリープはデータによると大きくなればなるほど大腸がんの確立が高くなっていきます。ですから大腸がんは早めの検査が最も効果的な対処法といえます。

それに大腸ポリープは複数できている人も珍しくありません。多い人では20個や30個も大腸ポリープができる人もいます。それだけ多くポリープができてしまうタイプは、家族性ポリープというタイプかもしれません。

そのような人は非常に大腸がんになりやすいタイプですので、定期的にこまめな検査が必須です。

大腸ポリープが大きくなればなるほど大腸がんの可能性が高くなるということは、大腸がんに関しては、大腸ポリープが後々変異するということかもしれません。

10ミリ以下の小さなポリープでは大半は癌ではありません。大腸がんはそこが他の種類のがんとは少し違います。

 大腸がんの初期症状はほぼ自覚なし

大腸がんの多くは初期症状はありません。約4割くらいの人には何らかなの初期症状があるという話もあるようですが明確なエビデンスやデータはありません。大腸がんの進行がある程度進んでいくと出て来る症状としては以下のものが挙げられます。

  • お腹が張る(腹部膨満感)
  • 便秘
  • 腹痛
  • 下痢と便秘を繰り返す
  • ガスが多い
  • 血便
  • 下血

お腹が張ったり便秘になるのは大腸ポリープの影響、もしくは大腸の働きの低下が多いようです。腹痛は炎症、あるいは腸閉塞になっている可能性が考えられます。下痢と便秘を繰り返すというのも大腸がんにはよく聞く話です。

ただストレスや腸の働きが乱れていてもよくおきる症状ですので、やはり明確にするためには大腸の検査を受けることが寛容です。

危険な状態としては、大腸ポリープが大きくなってくると、腸を塞いでしまいます。そうなると腸閉塞をおこしてしまいます。腸閉塞がおきると、痛みや吐き気、場合によっては嘔吐をしてしまい、病院で検査をして大腸がんとわかる人も時々います。

私の知人にも腸閉塞の激痛で病院に救急車で運ばれて大腸がんが発見された人は二人いました。私の身近で二人いたということは、けっこう珍しくないパターンだと思います。

参考:国立がん研究センター

 実際に便が細くて病院へいった知人の例

これはあくまで私の知人に起きた例です。私の知人の場合は、ある日突然便が細くなってしまったそうです。今まで細い便がでることは殆どなかったそうで、何日も細い便が続くのが気になったので、病院で大腸検査を受けました。

それによって大腸がんが発見されました。ただ残念ながら既に肝臓にがんが転移しており、ステージ4との診断を受けてしまったのです。

便が細いということ以外に症状といえるものは特になかったそうです。それだけに知人のショックは非常に大きく精神的にダメージを受けてしまいました。現在は手術を受けて腫瘍は幸いにもある程度は取ることはできたようです。

今後は治療を受けながら転移の可能性に気をつけて、生活習慣から見直しをしている状態です。この例はあくまで極端な例かもしれませんが実際にあった例ですので、細い便が続く場合は大腸カメラの検査を受けることが必要です。

 大腸がんは早めに手を打てば怖くない!

 大腸がんはステージ4まで進行していなければ比較的回復しやすいがんです。大腸がんにも直腸がんや結腸がんなどいろいろありますが、総じてステージ3までであれば5年生存率は80%くらいあります。

これは癌全体の中でもかなり生存率の高いがんです。現在治療中の方はこの数字もありますので、もっと自信を持って生活をしていただければと思います。

特に大腸内にポリープとしてあるうちは、どうってことない癌といっても過言ではありません。ただ腸を浸潤してしまったり、稀に悪性度の高い癌の種類である場合は例外です。いずれにしても早期発見ができれば、大腸がんはかなり治りやすいがんです。

まとめ

  • 大腸がんの初期症状はほとんどない。
  • 大腸がんで便が細くなる場合は初期ではない場合が多い。
  • 便が細いからと行って即大腸がんとは限らない。
  • 大腸がんは早期発見すれば殆ど治せる。

大腸がんで便が細い場合は大腸に大きなポリープができている場合があります。ただ便が細いからといって、即それが大腸がんとは限りません。ストレスや便がやわらかくても細くはなりますので、過度の心配は必要ありません。

ただ40歳を過ぎたころから大腸がんは増えていきます。まだ大腸カメラの検査をされたことがない人は必ず受けてください。後々の苦労を考えたら検査なんて大したことはありません。